相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
「━━━━サトちゃん、お腹痛いの?」

あれからキスを何度かして、ベッドに入った二人。
翔琉の腕枕で横になっている里海が、無意識なのかずっと腹をさすっていた。

「え?ううん」

「でもサトちゃん、ずっとさすってるよ?」

「そう?
でも、痛くないよ。
それより、カケくん。ギュッてして?
ギューって!
ちょっと苦しいやつ」

「ん。ギューーー!!
…………なっちゃって(笑)」

「フフ…安心する……!」

「フフ…じゃあ、このまま寝る?
ギューってして、頭撫でててあげる」

「うん…お願い…!」

この日から、里海の様子がおかしくなった。

何をしててもどこか上の空で、かといって聞いても“何もない”としか言わない。

無理矢理聞くのも違う気がして、翔琉は心配な日々を過ごしていた。


そんなある日。

ランチ中の里海。
翔琉とメッセージのやり取りをしながら、弁当を食べている。

【今日は、ハンバーグ食べたいなぁ~】
【わかった!
でも玉子、ない…(T_T)】

【だったら僕が買って帰るね!】
【よろしく!】

【サトちゃん、いつもありがとう!】

フフ…と笑って返信しようとすると、パッと画面が変わり“ののえ”と出てきた。

「あ…」
里海は席を外し、電話に出た。

「もしもし?」
『里海?ごめんね!今、大丈夫?』

「うん。
もしかして、凌央(りょう)くんのこと?」
『うん。
もう、しつこくて……』

「やっぱり、一度会った方がいいよね…」
『ごめんね。
でも、私も一緒に会うから!
絶対、二人では会わせない!』

「わかった!
じゃあ今日、仕事終わりに」

通話を切って、すぐに翔琉に電話をかけた。


『もしもし!?サトちゃん!?
良かったぁー、急に連絡が途切れたから心配してたんだ!』
「カケくん!ごめん!」

『ん?』
「今日、仕事終わりに友達に会うことになったの」

『え?』
「だから、夕御飯別々にさせて?」

『友達って誰?』
「高校生の時の友達で、野々井(ののい) 華江(はなえ)ちゃんって子。
ちょっと……トラブルがあって…」

『あー、最近よく連絡してる“ののえ”って子?』
< 33 / 62 >

この作品をシェア

pagetop