相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
「うん」

「………
カケくん、もう一回ギュッてしとく」
そう言って、翔琉に抱きつく。

翔琉も抱き締め、安心させるように背中をさすった。
「大丈夫だよ。ほとんど話さないから」

翔琉の言葉に安心して、里海はマンションを出たのだった。


しかし、気になってしかたがない。
行きの電車内で、里海は悶々と考えていた。

翔琉にメッセージを打つ。

【カケくん、気をつけてね。
お持ち帰りとかされないでね】
【カケくん、カッコいいんだからね】
【今日、カケくんが帰るまで待ってるから、ギューとチューしてね】
【お風呂も入らずに待ってるから、一緒に入ろうね】
【今日は私が眠るまで、よしよししてね】

里海は、自身の不安が現れているかのように、立て続けにメッセージを送った。

すぐに“既読”になり、返事が返ってきた。

【うん、気をつけるよ】
【サトちゃんこそ、一番可愛いよ!】
【ギューとチューして、そのままブチューってするね!】
【お風呂、一緒に入るの楽しみにしてる。
エッチなことしても、怒らないでね!】
【もちろん、よしよししてあげるよ?】

一つ一つに丁寧に返信がくる。
里海は嬉しくなって、喜びをしめすスタンプを沢山送ったのだった。

そして里海は気合いを入れ、会社に向かう。

「おはようございます!」
笑顔で、元気よく挨拶して中に入る。

里海は、どんなに体調が悪くても元気よく仕事をすると決めている。
仕事で辛いことがあっても、楽しくこなす。

里海の仕事をする上での、モットーだ。


「あ!なっちゃん!!」
「課長、おはようございます!」

「おはよ!
なっちゃん!早速だけど、今から◯◯美容に三好(みよし)ちゃんと謝罪に行ってくれる?」

「え?あ、はい」

「ごめんね、なっちゃん…」
三好は、里海の同僚の社員。
申し訳なさそうに、肩をすくめている。

「ううん!大丈夫だよ!行こ?」


「━━━━━━良かったね。許してもらえて!
……でも、珍しい。三好ちゃんが失敗するなんて!」
謝罪した帰り、会社に戻る里海と三好。

「………ちょっと、プライベートであって…不安定だったってゆうか……」

「ん?何があったの?」

「彼氏と喧嘩して、仕事に集中出来なくて……
………公私混同するなんて、社会人失格。
本当にごめんなさい」
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