相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
「サトちゃん!!僕だよ!!か、け、る!!」

「へ!?
あ…あ…カケくん……!?」

「うん。ごめんね!ビックリさせて」
里海を抱き締め、背中をさする。

「カケくんのバカ!!
私が怖がりなの知ってるでしょ!!」
翔琉の胸をポカポカ殴る。

「ごめんね!ごめんなさい!」

「怖かったぁ……」

「うん、ごめんね……!」

しばらく抱き締め合って、里海が腕の中から見上げる。
「カケくん、約束したやつして?
ギューとチュー!」

「うん!
━━━━━ギューーー!!」
「フフ…幸せ~」

「はい、サトちゃん。
チューしよ?」
「ん…」
口唇が重なって、次第に深くなる。

貪って、満足しように離した翔琉。
「ところで、何見てたの?」

「え?あ、アルバムだよ」

「アルバム?
いつの?」

「高校生の時の」

「へぇー!
見せて?」

「うん。でも、恥ずかしいなぁ/////」

「━━━━あ!サトちゃんだ!
可愛いーーー!!」
「そ、そう?/////」

「ショートだったんだね!
可愛いなぁ~!」

ペラペラとページを捲る。

そして━━━━━
「ん?」
「え?
━━━━━あ!!こ、これは見ちゃダメ!!」

あるページで翔琉が固まり、里海が慌ててふせた。
寄せ書きのページだ。

そこには、慶治からのメッセージが書かれている。

“ナツミちゃんへ
これから別々の道に進むけど、笑って過ごそうね!
ナツミちゃんとの一年半は、僕にとっての宝物です!
ありがとう!
ナツミちゃんのこと、本当に大好きでした!!
ケイジ”


「里海さん」
翔琉が妖しく笑っている。
それがやけに、恐ろしい。

「は、はい!」

「これは、なんですか?」

「へ?えーと…」

「どう見ても、元彼ですよね?里海さん」

「………」

「里海さん。このアルバム、燃やしていいですか?」

「は?だ、ダメだよ!!」

「だったら!早くどっかやって!!」

「はい!」
慌てて里海は、アルバムをしまったのだった。

そして戻ってきた里海に、翔琉が言った。
「サトちゃん、お風呂入ろ?」
「あ、はい!入ります!」

一緒に風呂場に向かう。

服を脱ぎながら、翔琉がまた言った。
「あー、そうだ!」
「え?」

「サトちゃん、約束一つ破っていいかな?」
「へ?」

「よしよしして寝るってやつ」
「え?」
(よしよししてくんないのー)

「だって、今日は“寝かせないから”」

「え………」


そして里海は、一晩中翔琉の“嫉妬まじりの”愛情を身体に刻み込まれるのだった。
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