相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
翔琉と里海
季節は、冬に入り━━━━━━

そんなある日の休日。
翔琉と里海は、里海の両親に呼び出されていた。


「━━━━急に悪いね」
父親が、ソファにドカッと座り言った。

「いえ!」
「お父さん、どうしたの?」

基本的に父親は、翔琉に会いたがらない。
まだ、認めてないから。

だからあまり実家には帰ってない、里海。
母親とは会うことがあるが、里海も父親と会うのは久しぶりだ。

「先月。
坂嶺(さかみね)くんが、訪ねてきた」

「え?」
「サトちゃん、坂嶺って?」

「あ、凌央くんの苗字だよ」
「え?」

「彼が、謝罪とあるお願いをしに来たんだ」

「「え?」」

「里海。
“あの事”話したのね?」
隣に座っていた母親が言う。

「え?あ、妊娠のこと?
うん。カケくんにも話したの」

「その事で、坂嶺くんが━━━━━━」



『知らなかったこととは言え、謝罪が遅れてすみません!!
本当に申し訳ありませんでした!!』

『頭上げて?もういいのよ』
『終わったことだ。
それに今、里海は幸せだからな』

『はい。
それであの………
俺…いや、僕がこんなことをお願いするのは、おこがましいんですが……』

『何だ?』

『里海さんのご主人のことを、受け入れてあげていただけませんか?』

『え?』
『は?』

『友人の華江に聞きました。
僕のせいで、ご主人のことを受け入れられないと。
でも彼は僕と違って、素晴らしい男性です。
里海さんのことを、全身全霊で愛してます。
久しぶりにあった里海さんが、羨ましいくらいに幸せそうでした。
それはきっと、彼が里海さんを心から愛して大切にしてるからだと思うんです。
もちろん“見た目だけ”で言えば、恐ろしく見えます。
でも、中身はどんな人間よりも、素敵な男性です!』



「━━━━ってな」

「凌央くん…」
「あの人、そんなことを…?」

「だからな。
これを、二人に━━━━━━」

父親が、テーブルに数冊の雑誌を置いた。

「「え?」」

結婚情報雑誌だ。


「翔琉くん」
父親が、姿勢を正して向き直る。

「はい」
翔琉も自然と、姿勢を正す。

「娘を、よろしくお願いします……!」
そして、丁寧に頭を下げた。
母親も、隣で頭を下げている。

「…………はい!!
里海さんを、必ず幸せにします!
こちらこそ、よろしくお願いします!!」

翔琉も、丁寧に頭を下げたのだった。
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