うちのクラスの吉田くん!

その2

 今日は校外学習。


「はい、目的地に着きました〜。十五分間の休憩です」

 学年主任の先生がみんなに向かってそう言った。

 着いたここは、丘のある広い公園。
 向こうには山だ、山が見える。

 するとみんな、あちこちで山彦を確認するために声を出しはじめた。

「よぉし、俺も……」

と、気合を入れて声を出そうとした次の瞬間、隣りにいた吉田(よっしー)は出る限り最大の声量で叫ぶ。

「っ、『ゴッドマァ〜……!!」

ペシィッ!!

 吉田が叫び始めたその瞬間、反対隣にいた渡瀬(ワタ)が吉田の頭を軽く叩きツッコんだ。

「っ、いつの時代のロボだ、よっしー!俺たちの作《・》者《・》だって生まれてないだろっ」

「えぇ?なんだよ~」

 ツッコミを入れられた吉田は、渡瀬に向かって口を尖らせてすねて見せる。

 それを見ていた俺は心の中で、

(ワタはあれで分かったんだ……。ワタは何だかんだ、よっしーのオタク話をちゃんと聞いてるよな)

と思った。
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