紳士な若頭の危険な狂愛
第二章 思いがけない再会
私は未だに美東さんが忘れられずにいた。
既に三ヶ月以上経つというのに、むしろ美化しているような気さえする。
一日一度はスマホで組のことを検索するが、たいしたことは引っかからない。
せめて美東さんの写真でもと思っても、何一つ無いのが悲しい。
スマホから着信音が鳴る。
ベッドで寝転びながらテレビを見ていた私は、スマホの着信画面に出ている社長という表示に驚いた。
夜の十時過ぎ、こんな時間に緊急では無い限りかけてくることが無いからだ。
嫌な予感がして通話ボタンをタップする。
「どうしました?」
『絵理奈はそっちに行ってないかい?!』
やはり絵理奈ちゃんのことだった。
雑踏が聞こえることから、社長は外で探しているのだろうか。
「うちにはいません。
バイトとかじゃ無いんですか?」
『いや、今日は遅くても九時には帰るってメッセージが来ていたんだ。
それも彼に会ってから帰ると。
店に寄るのか?って送ったんだがその後既読すらつかないんだよ』
ハァハァという息切れの声が混ざっている。