あのメガネアイドルは…。

隠しているもの



羽村「あ、ちょっと俺行くとこあるから、先に教室行ってて」


羽村は肩を組んだままでいた右手で真白の頬をつついた。

ニッと笑顔を見せた後、先生が行った方とは逆の方へ走って行った。



もうその頃には

『先生に呼び止められた』

ことなんて、頭にはなくてさっき羽村が自分の触れた頬に自分の手を重ねた。



○教室


教室に入って自分の席に着く。


真白の席は廊下側から2列目の後ろから3番目。

羽村の席は窓側から3列目の前から2番目。

 
もちろん空席だが筆箱が机に置かれているため、1度教室に来たことがわかる。




真白(行くとこってどこだろう)

そんなことを考えながら、羽村の席を眺める。



結局、羽村が教室に入って来たのはチャイムが鳴る寸前で、ブレザーに何かを隠しているように前かかがみになって入って来た。



その正体を知りたかった真白。

椅子から少しお尻を浮かせた時にチャイムが鳴って、落胆したように着席した。
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