キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

王様はきょととくちばしマスクで首を傾げて、両手を組んで考え出した。王様の身体が大きいので一挙一動に存在感がある。これは考えるポーズだ。


黙った王様に、サーシャはホッとした。ただの村娘サーシャごときに王様ほど身分の高い人が悩み相談だなんてするわけがない。


(それが線ですよ、王様)

「ちょっと場所変えるか」


王様がおもむろに立ち上がり、サーシャに手を差し出す。


「え?」

「王様の悩みはお前にしか聞かれたくないから、散歩行くぞ」


強引に手を取られたと思ったら、王様と共にサーシャの身体がふわっと空に舞いあがった。
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