キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

副団長と敗北


レオナルドの風魔法でゆっくりと穴の底へ底へと降りていく。


光満ちる底にたどり着くと、そこは美しくつるんとした石張りの場所だった。石張りの床や壁が輝くここはまるで、神殿だ。


「地の底に、こんな場所があるなんて」


サーシャが興味津々と周りを見回すが、レオナルドの視線は一点に集中していた。神殿の奥にある扉の向こう側だ。何かいる。


「俺が殺る。サーシャは端に居ろ」

「レオさん、まだ敵か味方かわからないですよ」

「これはそんな友好的な気配じゃない」


レオナルドは壁の向こう側にいる畏怖よりも大きく威厳あるものからの圧力を、ひしひし感じされられていた。


レオナルドはサーシャを風に乗せて壁際に運ぶ。サーシャはレオナルドの風の見えない壁で身を守られているようだ。


レオナルドはサーシャを遠ざけ、戦闘態勢を構えて綺麗な顔を険しくする。


「お主が使者か。我と話す格があるか、お手並み拝見といこうかの」

「こっちの台詞だ」

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