キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャはレオナルドの腕に抱かれて真っ黒の空間を上へ上へと移動しつつ、レオナルドの頬にバードキスをする。険しい顔をし続けていたレオナルドは美貌の極みの顔をくしゃっと崩して優しく笑った。
「帰ろう、サーシャ」
「はい、レオさん!みんな待ってますからね!」
カルランを捨て置き、勝手に帰って行ってしまう二人をカルランは笑みが収まらないまま見上げていた。
「我は人間の、ああいう愚かなところが……堪らなく好きじゃ」
カルランは上って行く二人に向かって、赤い翼を一振りした。その一振りで、カルランはサーシャからあるものを奪った。
「じゃが、まだまだ。大地を穢した罪は重いぞ。約束を結ぶにふさわしい相手か、試させてもらおう、カルラの王よ」
ふんふん鼻歌を歌ったカルランは、大いに遊んだ時間に満足して神殿の奥へと帰って行った。