キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

王様と涙



警鐘が鳴った場所に赴くと、王城の周りを警護中の騎士団員が数人立ち尽くしていた。


大蜘蛛の気配はなく、なぜ警鐘を鳴らしたのか腑に落ちなかった。地面に着地したレオナルドが団員の肩を叩く。


「何があった?」

「副団長、警鐘なんて大げさに鳴らしてすみません。でも急ぎだったんで。こっち来てください!」


団員に連れられて、死の森と王都の境目にレオナルドとサーシャは向かった。


「レオさん!これってまさか!!カルラン様のぷちぷち穀物畑?!」


死の森と王都の間には美しい穀物畑が出現していた。案内を終えた団員たちは、団長を呼びにホールへと向かった。


「……カルラン様?」


レオナルドは目の前に現れた生きた畑の前に両膝をついて崩れ落ちた。


「レオさん?!大丈夫ですか?!」


スコンと力が抜けてしまったレオナルドの隣に座って、サーシャはレオナルドの顔を覗き込んだ。レオナルドの青い瞳から突然ぽろぽろと涙が零れ落ちた。


「まさか、助けてくれるのか……」

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