キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
だが、サーシャの無垢な涙に絆されて、あまりにも素直にレオナルドの胸はキュンを鳴いてしまった。
(マジで3回目って鳴くのか)
レオナルドはまさか自分に恋なんて訪れるはずもないと思っていた。今まで数多の女と関係を持ってきた経歴で、このレオナルドの胸を3回鳴かせた女は皆無だ。
恋なんて幻想だと思っていた。なのに、思いもよらず何の捻りもない恋が訪れた瞬間だった。
魔法はすごいが、何もかも平凡に見えるサーシャが、レオナルドの胸を3度も鳴かせた事実にレオナルドは高揚した。
(これが……恋か)
化け物と恐れられたレオナルドは、自分にそんな何の捻りもない恋が訪れたことが、嬉しくもあった。
サーシャの涙を再度見つめると、やっぱり胸は素直に鳴いた。
(うん……やっぱり可愛い)