忘れられた恋の物語
覚えているのはそこまでだった。

目を開けると天井が見えて、私は勢いよく起き上がった。私はなぜかベッドで寝ていたようだ。

そしてベッドのすぐ横にはさっきまで私がいたはずの椅子に座って眠っている斗亜がいた。上半身はベッドに突っ伏すような体制で彼の目だけが見えた。


「なんで私ここに…。」


自分がいつ眠ってしまったのかもわからなかった。1日中はしゃいでいたから疲れていたのかもしれない。

ベッドには斗亜が運んでくれたのだろうか。布団も綺麗に私にかけてくれたようだ。

すぐ近くで眠っている彼の静かな寝息が聞こえる。

私は無意識に彼に手を伸ばし、起こさないようにそっと髪に触れた。

するとその時ゆっくりと斗亜が目を開けた。


「…起こしちゃった?」

「ううん。」

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