忘れられた恋の物語
「…俺もすごく勇気を出した。」

「伝わってるよ。」


ゆっくりと手が重ねられて、そのまま優しく手を繋いでくれた。それが嬉しかった。

2人で横になって向かい合う。一緒のベッドで斗亜に見つめられると心臓が爆発してしまいそうになった。


「さっきの話を聞いて思ったの。」

「何を?」

「最初に会った時、初対面なのにすごく私を心配してくれる斗亜を見て不思議だったんだ。でも理由がわかった。」

「そう。あの時はもう柚茉のことが好きだったから。だから必死だったんだ。」

「あの時、声をかけてくれてありがとう。それにごめんね。目の前で私が死ぬかもしれないなんて怖い思いもさせて。本当にごめんね。」


斗亜の手が頬に触れる。そしてゆっくりと唇が重なった。

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