忘れられた恋の物語
1か月の恋 斗亜side
彼女の姿や表情を、俺は今でも鮮明に覚えている。
あれは1年半くらい前のこと。
子どもの頃の病気が再発し、俺は入院生活となった。病状はかなり悪化していて、治療をするには手遅れだった。
他の人の前では普通に振る舞っていたけれど、死の恐怖に毎日1人で怯えていた。
その頃だった。
"心残り"になるくらい好きになる人に出会ったのは。
初めて彼女を見たのは病院の廊下だった。白い肌に肩より少し下までの黒髪で、すごく儚い雰囲気を持っていた。
何度か見かけるうちにいつの間にかまた会いたいと思うようになり、姿を見られた日は辛い治療で疲れきった心が少し癒された。
遠くから見ているだけだった。それでも幸せだった。
彼女は、家族の存在のほかに自分が"生きたい"と思う理由となった。
そんなある日、病室から外を何気なく眺めていると屋上の柵を乗り越えようとしている人の姿が見えた。
俺は自分の目を疑った。
その人は、自分が恋している彼女だったから。
"好きな人が死んでしまうかもしれない"という恐怖で足が凍りついて動かなかった。
結局俺は彼女のために何もできなかった。
あれは1年半くらい前のこと。
子どもの頃の病気が再発し、俺は入院生活となった。病状はかなり悪化していて、治療をするには手遅れだった。
他の人の前では普通に振る舞っていたけれど、死の恐怖に毎日1人で怯えていた。
その頃だった。
"心残り"になるくらい好きになる人に出会ったのは。
初めて彼女を見たのは病院の廊下だった。白い肌に肩より少し下までの黒髪で、すごく儚い雰囲気を持っていた。
何度か見かけるうちにいつの間にかまた会いたいと思うようになり、姿を見られた日は辛い治療で疲れきった心が少し癒された。
遠くから見ているだけだった。それでも幸せだった。
彼女は、家族の存在のほかに自分が"生きたい"と思う理由となった。
そんなある日、病室から外を何気なく眺めていると屋上の柵を乗り越えようとしている人の姿が見えた。
俺は自分の目を疑った。
その人は、自分が恋している彼女だったから。
"好きな人が死んでしまうかもしれない"という恐怖で足が凍りついて動かなかった。
結局俺は彼女のために何もできなかった。