忘れられた恋の物語
その後、病院に"彼女が死のうとした"という噂が広がった。俺は看護師さんが会話をしているところを聞いてそれを知った。

やはり俺がこの前見た人は、彼女だったのだ。


彼女を見つけて『もっと生きたい』と思った俺と、1人で屋上に上がり『死にたい』と思う彼女。

彼女にもっと生きてほしかった。


でも、もう少しで死んでしまう自分に何が出来るというのだろうか。俺は彼女の人生に現れること自体が許されない人間なのに。

『好きだから生きていてほしい』と気持ちを伝えることすら出来ないのに。


悩んだ結果、やっぱり俺は何も出来なかった。

そうしているうちに彼女は退院を迎え、俺は自分の体を動かすことも出来なくなった。

そして俺は短かった自分の人生を終えた。


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