私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
プロローグ




「ねえねえ、このみちゃん、このみちゃん」


「どうしたの、どうしたの、穂乃花(ほのか)ちゃん」



私たちはたぶん、ここに居なかったとしてもクラスメイトたちは気づかない。


気づくとすれば、数日してから「あれ?そーいえば」みたいな。

アニメやドラマだった場合はクラスメイトABCにすら、主人公に道案内だけをする通行人にすら振り当てられないと思う。


でも、ここにスポットを当ててみると。


目立たないなかでも、案外女の子をしていたりするものだ。



「このみちゃんって、好きなタイプとかってある…?」


「好きなタイプ……、男の子の、だよね…?」


「うんうん…!あのね、隣クラスのヒヨリちゃん、うちのクラスの本田くんと付き合ってるんだって…!」


「そ、そうなんだ…」


「だからこのみちゃんもそーいうの、あるのかなって!」



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