ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
果実たちの選択/その9
ケイコ



朝9時前には「レオ」に来ていた

今、剣崎さんからのメッセージに目を通している

私が彼と会えるのは、数日後ということだ

もう、剣崎さんに任せるつもりだ、その辺は

そろそろ、アキラとのこれからのこと…、”現実”を考えなくちゃ

彼も仕事ある訳じゃないし、そうなると今のアパートだってどうなるか…

私の方は無期停学中で、アキラのこと話せば、家にはいられないかもしれない

私たち二人の前には、不安材料が山積みだ

ひとつひとつ、一歩一歩…、これしかないのは分かってるけど…


...



私は剣崎さんへの”返信メッセージ”を残し、「レオ」を後にした

ここから”学校”は、歩いて20数分とのところにある

行ってみるか…

外からでもちょっと、学校の雰囲気だけでも…

そう思った時には、もう滝が丘高校に向かって歩いていた

ちょっと前までは、少し歩くと汗ばんできたんだけど…

ここんところはもう秋って感じだ

そんなこと頭に浮かべてたら、急に心細くなってきた

私、このままだと、季節に置いてきぼりくっちゃう

ふと、そんな気がして、なんかとても怖い…

ああ…、こうなると、脂汗が出てくるんだ

それに動悸も激しくなる…

ふうっ…、”以前”の私に戻れる日って来るんだろうか…


...



学校の前に着くと、午前中の授業は粛々と行われていた

今は体育の授業はないようで、校庭は無人だ

私は校門脇に立ち、校舎を漠然と眺めていた…

そのまま無心で…、どのくらい立っていただろう

気が付くと、いくつもの教室の窓側付近で、人の声が重なっている

えっ?手、振ってるよ…

それ、私に向かってか?

あっ、いけない、私に気づいてるわ

少なくとも3,4の教室の窓付近がざわついてるし…

この場から立ち去ろうとすると、「横田先ぱーい!」「おけいー!」って声が上がった

やばいわ…、これって…

そう頭の中で呟いてる間、どうしたらいいかと、立ちすくんでた

すると、校舎内から男の人が校門へと走ってきた

志田先生だ…





< 203 / 221 >

この作品をシェア

pagetop