卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
あぁー、もう分かんない!
結局、バスケ以外の時間を重視して、ゆったりとした白のTシャツに動きやすい黒のストレッチパンツを選んだ。

次の日、私は朝からウキウキしていた。
久々に、出掛ける準備にこんなに時間を掛けた気がする。
「あっ!もうこんな時間!」
私は慌てて、バッグを持って家を出た。

外にでると、車から出て待っていた北見くんは、白のTシャツに、ネイビーのパンツで、背が高くて足が長いから格好いい。
「奈菜先生、おはよ。良かったぁ。俺、先生のことだからジャージで来たらどうしようかと思ってた」
「そ、そんなことしないわよ」
昨日の夜のことは、無かったことにして、私は助手席に座った。
北見くんが運転する車に乗る日が来るなんて・・・
高校生だった北見くんを思い出していた。
「久々だわ、バスケするの」
「もうバスケはしてないの?」
「俺、大学から起業したんだ。卒業したら、すぐに実行したい事があってね。まぁ色々あって、ようやく最近休めるようになったかも」
「そうなんだ。凄いね、北見くん」
「先生は休みの日、何してるの?」
「私ね、教室の子達に質問された時、答えることが出来るように勉強してるの。だから、家は教科書が積んである」
「はぁ、俺も先生にもっと教えてもらってたら、勉強出来たかも」
北見くんは、元々優秀だったけど、クラブ活動が終わってからの集中力は凄かった。
「でも凄いね。その若さで社長って」
「まぁね。俺って人から命令されるの、ダメだからね」
「そうだね。せっかく先輩が来てアドバイスしてくれても、反抗してた。私、そのあと、先輩達なだめるの、大変だったんだから」
「俺が言うこと聞くのは、奈菜先生だけだからさ」
合間にドキッとする言葉を言われる度に、鼓動が跳ねる。
「ね、ねぇ、北見くんは彼女いないの?」
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