卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
その夜、耀からお姉さんとの仕事が終わったから、今から帰るコールがあった。
お姉さん、私よりも年上に見えた。
弁護士で耀と一緒に仕事することあるんだ・・・
そんな疑問が浮かんできて、帰って来て夕食を食べてる時に聞いてみた。
「ねぇ、耀のお姉さん、私よりも年上なの?」
「あぁ。俺と10歳離れてるから。だから可愛がられて、今でもあんなに寄ってくるんだ。もう抱きつくなって、念を押してきたから」
お姉さん、私にも抱きつくくらいだから、耀のこと、凄く可愛いんだ。
「今、一緒に仕事してるの?」
「今もそうなんだけど・・・俺が起業して直ぐに仕事が出来たのは、姉貴夫婦のお陰なんだ」
「お姉さん達の?」
「あぁ見えても人情派でね。相談に来た人達で、経営に行き詰まった人がいたら、紹介してくれたんだ。姉貴達の顔を潰さないように、必死になって対応してたら、その人達が、また顧客を紹介してくれて、この年齢でも今の会社が成り立っている」
「そうだったんだ」
「今回は、姉貴の案件で、債権回収の訴訟を起こしてた人が、勝訴したけど全額返ってこなかった業者があってさ。姉貴から何とかしてあげてって、今、中長期計画とか俺が立ててるんだ。まぁ、凄くいい人で、何とかしてあげたくてさ」
「そう。格好いいよね」
「惚れ直した?」
「お姉さんだよ」
「何だ、姉貴かよ。喜んで損した」
たまに拗ねる顔は、昔と変らず可愛い。
もちろん、格好いいよ、耀。
本当はそう言いたいけど、可愛い顔を見たいから、我慢した。
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