卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
12月は、耀も仕事納めで忙しく、店も少しずつ掃除をしたりと、慌ただしく過ぎていった。

今日は、耀と初めてのクリスマス。
2人の休みが重なって、買い物したあと、夜は外で食事を済ませようとなった。
「ねぇ、奈菜はクリスマスプレゼント、何が欲しい?何でもいいよ」
「うーん・・・そうだ!ソファで勉強する時の膝掛けが欲しかったの」
「膝掛け?そんなのでいいの?ネックレスとかバッグとかじゃなくて?」
「うん、膝掛けがいい」
「まぁ、奈菜が欲しいって言うならいいんだけど、何か初めてのクリスマスプレゼントが、それでいいのかよ」
「うん、いいの。ねぇ、耀は?」
「俺に聞く?俺が欲しいのは、奈菜だけだよ」
「もーっ!そうじゃなくて」
「だって、本当のことなんだから、仕方ないだろ」
「マフラーとか手袋とかあるでしょ」
「マフラーは持ってるけど・・・そっか。お揃いのマフラーにするか。お互いにプレゼントしよう」
「えぇーっ」
「何?俺とお揃いは嫌なの?」
「違うよ。じゃあ、膝掛けは、自分で買う」
「それも俺が買うよ。ほんとに奈菜は・・・」
耀は、ため息交じりに笑っていた。

2人でクリスマスプレゼントを選ぶ時間。
凄く楽しくて、嬉しい。
彼氏と付き合うって、こんな感じなんだ。
耀は私の膝掛けを生地はどれが暖かいか、どの柄が私に合うか、ずっと選んでいた。
「寒くなかったらいいんだから、何でもいいよ」
「ダメだよ。俺が奈菜を見た時に、可愛い奈菜が更に可愛いようにしたいんだから」
時々、高校生の頃の耀に戻る時があって、胸がキュンとすることがある。
大人の耀も格好良くて好きだけど、無邪気な一面を垣間見る瞬間も、凄く可愛い。
耀の彼女になれて、本当に良かった。
「奈菜、これでいい?」
「うん、凄く可愛い」
「じゃあ、俺、色違い」
「えっ、耀も使うの?」
「うん、ソファに座ってる時に、お揃いで使おうよ」
耀は、満面な笑みでそう言いながら、レジへと向かった。
他の女性が振り向くくらい格好いいのに、私のために一生懸命なんだから。

大好きだよ、耀。
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