卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
そして迎えた卒業式。
今日俺は、大切な仲間と、そして大好きな新庄先生と過ごした高校を卒業する。
卒業式が終わり、バスケ部員が体育館に集まると聞いて、俺も向かった。
川センの挨拶が終わり、新庄先生は言葉に詰まりながら、挨拶をしていた。
やっぱり可愛い。
先生との想い出が、頭を駆け巡った。
俺の恋も、卒業と同時に終われば楽なんだろうけど、俺の心はそう簡単に冷めそうにない。
皆は、それぞれ最後に先生達に挨拶して、帰って行った。
先生、また泣き出しているよ。
ほんと、可愛いな。

ねぇ、先生。
先生の心には、別の人がいて、俺は全くいないんだろ。
でもさ、最後のチャンスを俺にくれよ。
その日が来るまで、俺、先生に認めて貰える大人になってるから。

「なぁ、先生。そんなに泣くなよ。可愛い顔が台無しだぞ」
「北見くん」
先生は、眼鏡を外して、涙を拭いていた。
先生の潤んだ瞳に吸い込まれそうだ。
先生。俺、先生の事、大好きだよ。
「もしさぁ・・・」
「うん・・・」
「俺が大人になった時、もし先生に結婚相手がいなかったら、俺の嫁にしてやるよ」
先生は、大きな目を見開いてびっくりしてたけど、
「・・・うん、ありがとう」
そう言って、顔をくしゃくしゃにして泣き笑いしていた。
俺が本気って分かってるのかよ。
これ以上一緒にいると、抱きしめてしまいそうだな。
「先生、ありがとう。またな」
先生の頭を撫でて、体育館をあとにした。
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