好きになってよ、俺のこと。
この日の授業も順調に進んでいき……。
昼休み後の授業は、体育。
体育の授業は隣のクラスとの合同なので、都輝くんとも一緒だ。
「昼休み後の体育って、だるいよね」
「ほんと。お腹いっぱいだから、動きたくない」
更衣室で体操服に着替えた私は、茉世ちゃんと話しながら校庭に出る。
すると……。
「神山くーん、頑張ってー!」
トラックを走る都輝くんと、数人の男子。
そして、それに黄色い声援を送る女子たちがいた。
「ねぇ、亜実。神山くんが走ってるよ」
「ほんとだ。リレーの練習でもしてるのかな?」
もうすぐ、体育祭があるから。
「愛しの彼氏が走ってるから、応援しなきゃね」
「茉世ちゃん! もう、そんなんじゃないってば」
茉世ちゃんと喋りながらも、私の目は走る都輝くんに一直線。
走ってる都輝くん、かっこいいなぁ。
「頑張れ、都輝くん……!」
小さな声でこっそりエールを送ると、まるでそれに応えるかのように都輝くんがダッシュをかけ、前を走っていた人を追い抜いてゴールした。