ワインとチーズとバレエと教授【番外編】

2



そしてようやく理緒は
名門修堂女子高等学校に
合格することができた。

この修堂女子高等学校に
行きたかった理由は
名門だからだけではない。

それは、小学3年生のとき友人が
「理緒ちゃん一緒に
スケートに行かない?」
と誘われ、初めてリンクに行ったとき
川村先生との出会いがあったからだ。

スケートリンクに行ったとき
妖精のような服を着て
軽々とジャンプを飛んだり
クルクル回転している
女の子を見た時だったー

「私も、こんなふうになりたい…」
と、まだリンクの手すりから
手も放せない理緒は
目を輝かせて言った。

「そんなの無理だよ!
あれをやってるのはね
特殊な人たちなんだよ!
ちゃんとフィギュアスケートを
習ってる子たちなんだよ」

と友達が言った。
そのとき、理緒は
習ってもいないのに
フィギュアスケートの
講師の隣で、一生懸命
指導されている女の子と
同じような動きを真似てみた。

もちろん、バックはできない。
が、何とか、ハの字にして
滑ってみては転んだ。

次はジャンプの練習を
している子がいたので
それを真似て、
半回転だけして
思いっきり滑って転んだ。

友達は
「だから理緒ちゃん無理だって!」
と言ったが、それでも理緒は
諦めたくなかった。

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