ワインとチーズとバレエと教授【番外編】

2

2017年5月、亮二は
車で木造の古びた 
アパートに向かっていた

去年、元妻だった
真紀子とは離婚し
すっかり、身辺が
片付いたと思っていたのに
今度は真理子姉さんだー

「なんでこう、女は
金遣いが荒いんだ」

亮二はつぶやいた、

真紀子との出会いは
合コンだった。

同僚の医者が

「よし!飲み会でもするぞ!
適当に女の子に3、4人
連れてくるから、お前ら
金を用意しとけよ」

と先輩の外科医が言ったので
亮二も出席せざるを得なかった。
外科のノリだー

その時、真紀子と出会って
意気投合した。

それなりの恋愛だったが
結婚してから、真紀子の
金遣いが荒くなった。

元々お嬢様育ちの真紀子は
それが当たり前かのように
湯水のごとく金を使うから
亮二はとうとうブチ切れた。

当時の貯金を、
ほとんど持っていかれたが
亮二は、真紀子と離婚ができて
せいせいしていたところに
姉の真理子だ。

真理子が住んでいる
木造アパートに行き
重い足取りで階段を上り
チャイムを鳴らすと

「あぁ、りょーじー」

とタバコをふかした
真理子姉さんが出てきた。

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