ワインとチーズとバレエと教授【番外編】
理緒は何とか無事に
大学に入学することができた。

父親が残した300万円は
150万円に減っていた。

母親の真理子に追求すると、
接待で使っただの
必要経費だの
言い訳を並べられたが
おそらく男に
使ったのだろうと理緒は思った。

この残った150万円を
入学金に当てた。

教科書や、その他、足りない分は
真理子が嫌々負担した。

家には確かにお金があった。
でも真理子は、そのお金を
一銭たりとも理緒に
支払いたいと思わなかった。

真理子は理緒が大学に行き
どんどん上品になり
どんどん清楚になり
どんどん美しくなり
どんどん賢くなっていくことに
腹立たしさを覚えていた。

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