ワインとチーズとバレエと教授【番外編】

6


そんなある日の12月
沢村に指定された
ホテルに出向いた。

その日の 沢村は
いつもと様子が違った。
行為はだんだん
エスカレートして行ったが
その日の沢村は
もっと激しく理緒を
痛めつけた。

首を絞め、それを
拒んだ理緒を殴り
無理やり理緒を拘束し
行為に及んだ。

終わったあと、
沢村は、いつもより
多めに金を払い

「疲れているなら
この部屋に泊まって
行っていいからね
明日の朝、
チェックアウトだから
使いたかったら
そのまま使って
くれていいから…」

と、なんとなく
バツが悪そうに
部屋を出て行った。

理緒は鼻血が出て
唇はは切れ、
下半身からは血が滲んでいた。
首には絞められた痕が
くっきり残っていた。

まるで雑巾のように
扱われた理緒は
一人ベッドで
身体を丸まで泣いていた。

どうして自分がこんな目にー
どうして自分だけー
どうして…ー

そして理緒は、
とうとうその悲しみは
怒りへ変わり
その怒りは復讐心へと
変わっていった。

理緒はベッドで
ひと粒の涙をこぼしながら
悲しみに打ちひしがれていたが
何日も寝ていないのに
頭は冴え渡っていた。

理緒は、静かにベッドから
起き上がり
服に着替えて
さっさとホテルを
チェックアウトした。

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