ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
 シーツの上で彷徨うエミの手を、ディルは包み込むように握りしめる。薬指に光る独占の証が、ディルはたまらなく愛しく感じた。抽挿を速くしてやると、手を握られていよいよ逃げられなくなったエミは、一方的に与えられる快楽にただ酔いしれることしかできない。

「あっ、……イッちゃ……」
「く、うッ……」

 エミの膣内が収縮し、ディルの牡根を強く締め上げる。一瞬間を置いて、ディルも己の欲望を解き放った。熱いほとばしりが、エミの体内にどぷどぷと注がれる。
 ディルは荒い息をしながら、エミの横に倒れ込む。長い絶頂と強い快楽に、めまいがするようだ。強烈な満足感とは反対に、下腹部の熱は残っている。
 ふたりは荒い息をしながら、どちらともなくキスを交わす。そして、お互いの瞳の中にくすぶる熱を見つけ、はにかむように笑い合った。

「……もう少し続きをしても、いいだろうか?」
「もちろんだよぉ♡ 好きなだけどーぞ♡」
「ああ、お前はまたそういうことを言う……っ!」

 二人の情事は、まだしばらく終わりそうにない。
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