ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「風邪をひいたようだ。セバスチャンを呼んでくれ。それから、お前は今日一日この部屋には入ってこないように――、」
「ええーっ、大変じゃぁん! 大丈夫!?」
「あっ、おい!」
エミは遠慮なくズカズカとベッドに近寄って、ディルの額に手を当てた。
「わぁ、やっぱり熱があるじゃん! 季節の変わり目だから、体調崩しちゃったのかなぁ。昨日は夜遅くまでお仕事頑張ってたみたいだし……」
「おい、近づくな! お前に風邪をうつしてしまったらどうするんだ!」
「大丈夫だよぉ。あたし、身体がめっちゃ頑丈なのが取り柄なんだぁ。だから、こういうときはどんどん頼ってほしい。だって、いっつもディルに助けてもらってるんだもん」
「そ、そういうわけには……」
「それに、あたしたち夫婦になるんでしょ? こういう時こそ、支えてあげたいなぁ。だって、家族だもんね♡」
「エミ……」
そこまで言われてしまうと、ディルも強く拒否できない。
エミはテキパキとこもった空気を換気すべく窓をあけ、汗でじっとり濡れたガウンを回収し、踵を返す。
「じゃ、風邪の時に元気になるものとか持ってくるね」
エミが軽やかに去っていくのを、ディルは複雑な顔で見送った。
「ええーっ、大変じゃぁん! 大丈夫!?」
「あっ、おい!」
エミは遠慮なくズカズカとベッドに近寄って、ディルの額に手を当てた。
「わぁ、やっぱり熱があるじゃん! 季節の変わり目だから、体調崩しちゃったのかなぁ。昨日は夜遅くまでお仕事頑張ってたみたいだし……」
「おい、近づくな! お前に風邪をうつしてしまったらどうするんだ!」
「大丈夫だよぉ。あたし、身体がめっちゃ頑丈なのが取り柄なんだぁ。だから、こういうときはどんどん頼ってほしい。だって、いっつもディルに助けてもらってるんだもん」
「そ、そういうわけには……」
「それに、あたしたち夫婦になるんでしょ? こういう時こそ、支えてあげたいなぁ。だって、家族だもんね♡」
「エミ……」
そこまで言われてしまうと、ディルも強く拒否できない。
エミはテキパキとこもった空気を換気すべく窓をあけ、汗でじっとり濡れたガウンを回収し、踵を返す。
「じゃ、風邪の時に元気になるものとか持ってくるね」
エミが軽やかに去っていくのを、ディルは複雑な顔で見送った。