四月のきみが笑うから。

 液晶画面に視線を落とす。


「……話したいな」


 会いたいし、声が聞きたい。

 何も考えずに、くだらないことで笑い合ったあの日々に戻れたらどんなにいいだろう。


 一緒にいることが何よりの救いだった。疲労がたまる日々だからこそ、それらを吹き飛ばすために毎日のように会っていた。


 けれど互いに生きる道は違う。いつまでも同じ道を辿れるわけではないのは当たり前のことだ。


 彼女は絵がとても上手かった。
 自他ともに認めるほど、才能のある絵を描く子だった。


 だから、将来が絵に関する仕事につながる高校を受験し、見事合格したのだ。

 そしてわたしは、流れるように普通高校へ。
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