四月のきみが笑うから。
電話をしなくなって、メールもしなくなって、気づけば連絡をとらなくなっていた。
日にすればそんなに昔のことではないのに、いつなんどきも一緒にいた身としてはずいぶんと長く感じてしまう。
SNSのストーリーには、彼女が高校の友達と楽しそうに笑い合っている写真があがっている。
それを見た瞬間、彼女の中の"いちばん"が変わってしまったような気がして、すうっと身体の力が抜けていくような気がした。
そして、そんなことに嫉妬まがいの感情を抱いている自分がなによりも気持ち悪くて、大嫌いだった。
いつまでも彼女に執着しているのはわたしなのだと気づいたから連絡を絶った。
それなのに話さなくなればなるほど、声が聞きたくてたまらない。また笑い合えたらどんなにいいだろう。
何にも縛られない、偽りのない素の自分で。