ドバイから出られない!
そう言うアミルの方を私は向く。すると、アミルの顔が近付いてきた。私は目を閉じ、アミルからのキスに応える。噴水ショーを見ながらキスだなんて、一体どこの恋愛ドラマだろう……。

「んっ……」

私の唇に柔らかくヌルリとしたものが触れる。私が抵抗することなく口を開けると、それはいとも簡単に侵入してきた。アミルの舌だ。

唇を離そうにも、私の後頭部にはアミルの手があるため離れることができない。舌を絡ませ合いながら私はただアミルを見つめる。その時、違和感を覚えた。

私の口の中に何かが入っていることに気付く。これは……この形は……錠剤?互いの唾液が混ざり合った口腔内であっという間に錠剤は溶けていき、苦味が舌の上を広がっていく。思わず顔を顰めたものの、アミルはキスをやめる気配はない。

苦味が口の中に広がって数十秒後、今度は強い眠気が体を襲い始めた。体が言うことを聞かず、意思に反して瞼が閉じていく。

私の後頭部を押さえていたアミルの手は腰に回された。微睡みの中、アミルがニヤリと笑う。
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