何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
ただ貴方を愛しています
一ヶ月が経ち、王妃様との面会の日になった。

ロイド様は王宮に向かう馬車の中で、王妃様のお話を聞かせて下さる。

「ロイド様、王妃様はどのような方なのですか?」

「うーん、王妃は厳しい人かな。でも、ヴィルナード国のことを誰よりも思ってる。ただ・・・」

「ただ?」

「いや、なんでもないよ」

王宮に着くと、王妃様の部屋に案内される。

王妃様はロイド様が幼い頃に体調を崩されてから、ずっと寝室で療養していらっしゃる。


コンコン。


ロイド様が王妃様の寝室の扉をノックした。

「どうぞ」

初めて聞く王妃様の声は、凛とした綺麗な声だった。

「いらっしゃい。ロイドに・・・フィオール家のティアナ嬢で合っているかしら?」

私は王妃様に最敬礼した後に、自身の名を述べる。

「フィオール家長女のティアナ・フィオールで御座います」

王妃様は、私が礼をしているのをじっと見つめていらした。

「大丈夫ね・・・」

「え・・・?」

「母上!」

急にロイド様が王妃様に怒鳴った。

私は何が起こったのか分からない。
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