何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
突然の出来事に頭が回らない。

「それとも、ティアナ嬢がフィオール家を出たいと考えているということは、もう貴族同士の政略結婚が嫌なのか?」

私は、言葉を何とか絞り出した。

「・・・はい。私は、自分で幸せを掴みたいのです」

「なるほど。なら、大丈夫だね」

「え・・・?」


「私は結婚さえしてくれるなら、ティアナ嬢に干渉つもりは一切ない。自由に過ごしてくれて構わない」

「しかし、ティアナ嬢が婚約破棄される確証を私はまだ知らない。だから、今は深く考える必要はない」

「今は覚えておいてくれるだけでいい。私はいつでもティアナ嬢と結婚しても構わない、ということを」


そう仰ってヴィーク様は立ち上がり、客間を出て行こうとして私に振り返る。

「良い返事を期待しているよ」

ヴィーク様が客間を出て行かれた後、私はしばらく驚きで立ち上がることが出来なかった。


これから先、私の学園生活はさらに騒がしくなっていく。
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