何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
クルト領への視察
リアーナが入学して数ヶ月が経った頃。

「どうしてこんなことになったのかしら・・・」

「ティアナ?」

「あ、いえ・・・なんでもありませんわ」

私は、ロイド様とリアーナ、そしてヴィーク様と共にある領地に視察に来ていた。

どうしてこんな状況に陥《おちい》ったのか。

時は数日前に遡《さかのぼ》る。

ある日、私とロイド様の元に王家から手紙が届いた。


「ロイド・エルホルム及びティアナ・フィオールにクルト領への視察を命じる」


王家からの手紙によると、毎年王家が行っているクルト領への視察を今年はロイド様と私に任せるという内容だった。

そして、王家からの要望はもう一つ。

「リアーナ・フィオールの視察への同行を命じる」

王家の目的としては、聖女であるリアーナの名声を高めておいて損はないと判断したらしい。
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