何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
では、何故ヴィーク様まで視察に同行することになったのか。

私とロイド様がクルト領に視察に行くと知ったヴィーク様は少し考え込んだ後、微笑んだ。

「ティアナ嬢、私も視察に同行しても良いだろうか?」

いくら大々的なものではないといえ、ヴィーク様を王家より頼まれた視察に連れて行くつもりなどなかった。

しかしヴィーク様はそう仰った後、私に耳打ちしたのだ。


「ティアナ嬢が公爵家を出ようとしてること、ロイド様にバラしてもいいの?」


「っ!」


ヴィーク・アルレイドという人物は、どうやら私が思うよりも手段を選ばない者だったらしい。

ヴィーク様に半ば脅された私はロイド様に許可を取り、ヴィーク様の同行を許した。

ロイド様は私の焦った顔を見てヴィーク様の同行を許可されたが、私とヴィーク様の関係をより気にしていらっしゃるようだった。

そんな経緯を経て、私達四人は現在同じ馬車で揺られている。
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