腹黒王子の甘い寵愛。
慌てて視線を声の方に向ければ、そこには同級生の女の子がいる。

それも1人ではなく、結構な人数だ。


「あの人たちは……僕のクラスメイトだね」

「そうなんだ」

「全員告白してきたヤツらだよ」

「え……?」


その瞬間、きゅっと胸が痛んだ。

どうして……?


「瑠奈?」

「さ、朔くん私モヤモヤするの……」


そう言うと、ニヤッと口角が上がっていく。

嬉しそうにこちらに近づいてきては、頬を撫でて私を見つめた。

その瞳に囚われて、どうすることもできない。


「瑠奈は僕が取られるのが嫌なんだね。それ、嫉妬って言うんだよ」

「嫉妬……?」

「僕が他の女子に告白されたのが、嫌だったってこと」

「っ……」


嫉妬って、こんな気分なんだ……なんだか、本当に嫌だ。

変な感情がフツフツと溜まって、モヤモヤして苦しい……。


「さ、朔くんは私以外の女の子と付き合ったりしない……?」

「……うーん、どうかな」

「えっ……?」


結婚、するんじゃないの……?

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