腹黒王子の甘い寵愛。
私の手首を掴んだ朔くんの手が、少しずつ力んでいく。


「瑠奈可愛いね、こんな細い手首してたらすぐにアイツに食われちゃうよ」

「えっ?」

「だから俺が守ってあげる」

「あ、ありがとう……?」

「うん、それでいいよ」


今度は密着して、頭を撫でられる。


朔くん、情緒不安定だ……。


「……桜井、いや瑠奈」

「……?どうしたの?」

「俺ら、今は婚約者なんだからさ、こうしてないと」

「え?」


腰に手が回される。

今度は秋山さんの方に近づいてしまいそうになると……。


「いや、離すわけないから」


不敵に微笑んだ朔くんに、阻止されたのだけど……。


「ごめん瑠奈」

「へっ?」


そう言った秋山さんに、ぐいっと引っ張られてしまったのだ。


両方から引っ張られて、私は混乱状態。


「は、離して……!!」


どうにか両側に手を伸ばして、2人と距離を取った。


「も、もう子どもみたいな喧嘩しないでよ!私はどっちのものでもないから!」

「“まだ”ね」

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