新月に薔薇は枯れる(The rose dies at the new moon)ー柊くんはヴァンパイア
「椿?」

「ローズティー、もうできたかな……えっと淹れてきます」

自分が何故、慌てているのか、何を焦っているのか、解らなかった。

「枯れた薔薇か~。ヴァンパイアが本当に薔薇、枯らしたと思うか?」

「霞月は『意図的にヴァンパイアを連想させるようにしている』と言っていたかな」

「解んねぇな~何をしたいのか」

「園芸部には訊ねてみたの?」

「ああ。園芸部は薔薇が枯れた後から温室に入っていないそうだ。事件以降、鍵はスペアも顧問が持っていると言っていた」

「事件以降、水やりも手入れも顧問が1人でやっているってことか?」

「部長はそう話していた。枯れた薔薇はその日に当番だった部員が2人、確かに見たそうだ。その後から温室には顧問以外、入れなくなっていると」

「部員さえも警戒しているの? そこまて秘密にしたいの?」
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