冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。


“てきとーにやり過ごしている”


その言葉に、一瞬ギクリとしてしまった。

別に、何か思い当たる節はないのに。



「…っ、そ、そんなことないです!」



仮にそうだとしても、飛鳥馬様相手にてきとーにやり過ごすなんて、出来るわけがない……っ!

わたしの声が皇神居に響き渡る。


思った以上に大きな声を発してしまったせいか、室内が異常なほどに広い皇神居にやまびこのようにわたしの声が繰り返し響き渡り、ちょっと恥ずかしい。


恐る恐る飛鳥馬様の表情を覗うと、そこにはわたしの予想していないものがあった。



「え……っ、」



飛鳥馬様の表情が、驚きの色で染まっていた。

綺麗な瞳が限界にまで見開かれ、わたしの言葉が予想外だとでも言うように、ビックリしている。

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