冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
一気に暗くなる家の中。カーテンに遮られた真っ赤な夕日は、カーテンを鮮明な茜色に染め上げる。
いつもはその光景に綺麗だな、という感想を心の中で呟くのだけど。
今日はそんなことを思っている余裕もなく。
2階に上がって自室の扉を開け、パチっと電気のスイッチをつけたわたしは、すぐさまベッドにダイブした。
そしてすぐに、ウトウトと瞼が重たくなって、わたしは部屋の明かりをつけたまま深い眠りに落ちていた。
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『りと〜〜…っ!どこに行っちゃったの、わたしを置いていかないで』
よたよたと頼りない足取りの少女が不安そうなか細い声を上げる。
まっさらな白色のワンピースを着た少女は、どこかに向かって歩いているようだ。
『お前……っ!そっちに行っちゃだめだって、いつもそう言ってんだろ』
少女の後ろを、バタバタと慌てた足取りで駆け寄ってくる1人の少年の顔が、廊下の灯りに照らされる。