HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
「遥…」

「奏弥さん…」

槇村先生が私たちの元に来た。

「…多摩西乳児院の小向さんだ‥赤ちゃんの元に案内して欲しい」
「あ、はい…分かりました。じゃ~」

遥先生は小向さんをNICUの中に案内した。
私と槇村先生はその様子を硝子越しに見ていた。

保育器の中で眠る小さな赤ちゃんたちが多い中、一人だけコットの中で寝かされていた大きな赤ちゃんが気になっていた。

正期産で誕生すれば…新生児はあれぐらいの大きさなんだろうと見ていた。

「あの赤ちゃんにはママいないんですか?」

「・・・病院の正面玄関口に段ボールの中にタオルケットに包まれ捨てられていた…警察に届けて母親を探したんだけど・・・
該当者が見つからなくて…ずっと病院で保護していたんだけど…今日乳児院に引き取られる事になった」




< 154 / 177 >

この作品をシェア

pagetop