HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
エステを終えた頃には陽が沈みかけていた。

ディナーは彼が予約した海岸沿いのフレンチレストランで食事。
コバルトブルーの海は夕陽で赤く染まり、夜の帳の幕がそっと空を包んでいく。

「二人の出逢いに乾杯しよう」

「あ、はい」

私たちはスパークリングワインが注がれたグラスとカチンと合わせた。

私自身の旅のコースとはワンランク上のディナーのフルコースを頂く。

メインダイニングの奥にはウエティングバーや個室の部屋があった。

レストランの一角にあるステージではピアノと生演奏が奏でられ、優美な時間を過ごした。


「なんだか…夢みたい」

「夢じゃないよ」
と彼は軽く笑い、私の頬を抓った。

「白石さん!?」

「樹生さんと言ってくれ…愛良」

「すいません…樹生さん」

「それでいい」

手慣れた雰囲気で上品に石垣牛のステーキをナイフで切り分けて、口に運ぶ樹生さん。

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