HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
二人で急いでエレベーターに乗って地下の駐車場を目指す。
エレベーター内の大きな鏡に私たちの並んだ姿を映りこんでいた。

こうして改めて見ると課長は背が高く脚が長い。

モデル並みのスタイル。

自分のスタイル悪さが辛い、凹んだ。


「狩野さん…何が食べたい?」

「課長にお任せします」

「・・・じゃ『ベルモンドホテル赤坂』でいい?」

「あ、はい」

「決まりだな」

駐車場に降りると社用車でなく、彼はマイカーに向かった。
彼の車は白のベンツ。

彼は持っていた電子キーをオンにした。すると車内がピカッと光って車のロックが解除された。

「乗って、狩野さん」

彼は助手席のドアを優しく開けた。

「ありがとうございます、課長」

私は礼を言って中へと乗り込んだ。

彼も運転席に回り込み、ドアを開いて運転席に乗った。

さすがは御曹司。着ているスーツ、身に着けている腕時計や靴もさりげなくブランド物。

そして、車も高級車。

庶民の私にまざまざと世界の違いを見せた。

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