HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
お手洗いに駆け込んで、トイレの便器に顔を向けた。

でも、吐き気だけでこの時は収まった。

体の変調に首を傾げながら、洗面所の鏡で顔を覗き込み、考え込む。

やはり…昨日の刺身か…

私はそう言い聞かせ、お手洗いの外に出た。

樹生さんが心配そうにしながら待っていた。

「課長…」

「医務室に行くぞ」

「でも…」
「調子が悪いんだ。仕事できないだろ?俺が付き添うから…」

彼に手を引かれ、医務室のあるフロアまでエレベーターで降りた。



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