モナコから出られない!
「大丈夫。僕たちの住むところに帰るんだよ。もう二乃の部屋は用意してあるんだ。落ち着いたら僕らの婚約会見をして、結婚式も挙げないとね」

ルイさんはペラペラと私の話も聞かずに話していく。目の前にいるこの人が、あの紳士的なルイさんには見えない。だって、今のルイさんの瞳はどこかーーー。

「絶対に逃さないよ。僕のお嫁さん」

ルイさんの手が私の頰を撫でる。この時私は、ルイさんとあの時出会ったことを後悔した。だってもう私に自由はない。

ルイさんという檻の中に閉じ込められてしまったのだからーーー。









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