明日に夢を見ようか。 不良になれなかった俺のギャラクシーノート
「何から食べようかなあ?」 「何でもいいじゃない。」
「そうはいかないんだよ。 物によっては明日の運気が台無しになるんでね。」 「何食っても同じだろう?」
「ところがそうでもないんだよなあ。 よし、今夜は軟骨からスタートだ。」 「変わってるな お前。」
「父さん 今頃気付いた?」 「いやいや、母ちゃんが変人だから変わってるなとは思ってたんだけどなあ。」
二人の危なっかしい話を聞きながら結城は日本酒を飲んでいる。 思うのは大村さんのことばかり。
「親衛隊長殿、何をお悩みなんですか?」 「いやいや何でもない。」
「大村さんのことだったら少しずつ分かってきましたよ。」 「何だって?」
「たぶん、結城さんもカルテらしい紙を見たんでしょう?」 「カルテかどうかは知らねえけど、、、。」
「大村さんも引っかかってるのはそこなんです。 彼女が妊娠して産婦人科に行って出産したっていう話が出回っているんですよ 今。」 「何だって? 妊娠?」
「そう。 しかも部の悪いことに相手が高中だっていう話になってるんですよ。」 「高中が?」
「そうなんだ。 しかも去年の夏の日付で。」 「去年の夏?」
「俺もおかしいなと思って知り合いの医者に確認した。 カルテを出したっていう産婦人科はだいぶ前に廃業してる病院だった。」 「廃業?」
「そうなんだ。 なんでも妊婦を手術ミスで殺しちまって院長が捕まってるんだよ。」 「そんな病院なのか?」
「その病院が去年になってカルテを出してくるとは思えない。 もうちっと探ってみようとは思ってるけどね。」 「ほい、軟骨の盛り合わせだ。」
親父さんは二人の話を聞きながら皿を目の前に置いた。 「美味そうだなあ。」
「当たり前田のクラッカーよ。」 「古い。」
「いいじゃねえか。 昭和の男なんだから。」 「やっぱ昭和人は違うなあ。」
結城は軟骨を取って美味そうに食べ始めた。 駅のほうからは帰宅ラッシュに溢れているおっさんたちの顔が見える。
今夜もラジオはプロ野球の中継らしい。 西部 日ハム戦らしい。
日ハムも新庄剛志が監督になってから変わってきたよね。 ハンカチ王子は見なくなったけど、、、。
通りを車が流れていく。 いつもの街のいつもの風景だ。
岩谷さんは大村さんを探していた。 そしてこの屋台にまでやってきた。
「おやおや、岩谷さんじゃないか。 まあ寄っていけよ。」 「こりゃどうも。」
結城の隣に座った岩谷さんはビールを飲み始めた。 「何を食べるね?」
「そうだなあ、、、。 砂吊りでも貰うかな。」 「あいよ。 今いいのが焼けるからな。」
そんな3人を遠くから見詰めている女が居た。 この女、実は高中の弟の嫁。
「そう。 3人で焼き鳥を食べてるわよ。」 「そうなのか。 じゃあ11時過ぎに帰るんだろうから動いたら教えてくれ。」
「分かったわ。」 女はスマホをポケットに仕舞うと屋台に目をやった。
左から黒瀬、結城、岩谷の順で座っている。 時々大きな笑い声が聞こえてくる。
瑞樹はふとスマホを耳に当てた。 「オー、吉原さんじゃないか。 どうした?」
彼は肝を齧りながら話を続けている。 結城は岩谷さんを見た。
「どうしたんだ?」 「大村さんのことだよ。」
「大村さん? ああ、あの彼女の話か。」 「そうだ。」
「去年のさあ、、、。」 「妊娠してたら俺たちだって気付くよ。」
「そうだろうけど、、、。」 「だって乱闘はやってたけど彼女はずっと大村さんの家に通ってたんだ。 他人が入る隙は無いよ。」
「それはそうでも、、、。」 「たぶん、脅しだよ。 今は高中の所に居るわけだ。 近藤だって場所は知らないんだから。」
「でもさ、何か気になるよな。」 「何が?」
「何でこのタイミングなんだ?」 「分からん。 松尾にも探りを入れてもらうよ。」
瑞樹はスマホを切ると結城に声を掛けた。 「ちょいと散歩してくるわ。」
「酔い冷ましか? 気を付けろよ。 変なのが多いから。」 「分かってるよ。」
フラフラと歩いて行く瑞樹を結城は目で追い掛けている。 その視線の先に長髪の女が立っているのが見えた。
「あいつは誰だ?」 「どうした?」
「ほら、あそこにじっと立っている妙な女が居る。」 「見たことねえなあ。 誰か待ってるんじゃないのか?」
「待ってるったってこんな夜中に誰がのこのこと出てくるんだい?」 「それはそうかもしれんが、もしかして立ちんぼかもよ。」
「立ちんぼ?」 「確かこの辺は禁止区域なはずだな。」
岩谷さんはスマホを取り出すと電話を掛けた。 何処の誰と話しているのかは結城にも分からないが、、、。
「そうはいかないんだよ。 物によっては明日の運気が台無しになるんでね。」 「何食っても同じだろう?」
「ところがそうでもないんだよなあ。 よし、今夜は軟骨からスタートだ。」 「変わってるな お前。」
「父さん 今頃気付いた?」 「いやいや、母ちゃんが変人だから変わってるなとは思ってたんだけどなあ。」
二人の危なっかしい話を聞きながら結城は日本酒を飲んでいる。 思うのは大村さんのことばかり。
「親衛隊長殿、何をお悩みなんですか?」 「いやいや何でもない。」
「大村さんのことだったら少しずつ分かってきましたよ。」 「何だって?」
「たぶん、結城さんもカルテらしい紙を見たんでしょう?」 「カルテかどうかは知らねえけど、、、。」
「大村さんも引っかかってるのはそこなんです。 彼女が妊娠して産婦人科に行って出産したっていう話が出回っているんですよ 今。」 「何だって? 妊娠?」
「そう。 しかも部の悪いことに相手が高中だっていう話になってるんですよ。」 「高中が?」
「そうなんだ。 しかも去年の夏の日付で。」 「去年の夏?」
「俺もおかしいなと思って知り合いの医者に確認した。 カルテを出したっていう産婦人科はだいぶ前に廃業してる病院だった。」 「廃業?」
「そうなんだ。 なんでも妊婦を手術ミスで殺しちまって院長が捕まってるんだよ。」 「そんな病院なのか?」
「その病院が去年になってカルテを出してくるとは思えない。 もうちっと探ってみようとは思ってるけどね。」 「ほい、軟骨の盛り合わせだ。」
親父さんは二人の話を聞きながら皿を目の前に置いた。 「美味そうだなあ。」
「当たり前田のクラッカーよ。」 「古い。」
「いいじゃねえか。 昭和の男なんだから。」 「やっぱ昭和人は違うなあ。」
結城は軟骨を取って美味そうに食べ始めた。 駅のほうからは帰宅ラッシュに溢れているおっさんたちの顔が見える。
今夜もラジオはプロ野球の中継らしい。 西部 日ハム戦らしい。
日ハムも新庄剛志が監督になってから変わってきたよね。 ハンカチ王子は見なくなったけど、、、。
通りを車が流れていく。 いつもの街のいつもの風景だ。
岩谷さんは大村さんを探していた。 そしてこの屋台にまでやってきた。
「おやおや、岩谷さんじゃないか。 まあ寄っていけよ。」 「こりゃどうも。」
結城の隣に座った岩谷さんはビールを飲み始めた。 「何を食べるね?」
「そうだなあ、、、。 砂吊りでも貰うかな。」 「あいよ。 今いいのが焼けるからな。」
そんな3人を遠くから見詰めている女が居た。 この女、実は高中の弟の嫁。
「そう。 3人で焼き鳥を食べてるわよ。」 「そうなのか。 じゃあ11時過ぎに帰るんだろうから動いたら教えてくれ。」
「分かったわ。」 女はスマホをポケットに仕舞うと屋台に目をやった。
左から黒瀬、結城、岩谷の順で座っている。 時々大きな笑い声が聞こえてくる。
瑞樹はふとスマホを耳に当てた。 「オー、吉原さんじゃないか。 どうした?」
彼は肝を齧りながら話を続けている。 結城は岩谷さんを見た。
「どうしたんだ?」 「大村さんのことだよ。」
「大村さん? ああ、あの彼女の話か。」 「そうだ。」
「去年のさあ、、、。」 「妊娠してたら俺たちだって気付くよ。」
「そうだろうけど、、、。」 「だって乱闘はやってたけど彼女はずっと大村さんの家に通ってたんだ。 他人が入る隙は無いよ。」
「それはそうでも、、、。」 「たぶん、脅しだよ。 今は高中の所に居るわけだ。 近藤だって場所は知らないんだから。」
「でもさ、何か気になるよな。」 「何が?」
「何でこのタイミングなんだ?」 「分からん。 松尾にも探りを入れてもらうよ。」
瑞樹はスマホを切ると結城に声を掛けた。 「ちょいと散歩してくるわ。」
「酔い冷ましか? 気を付けろよ。 変なのが多いから。」 「分かってるよ。」
フラフラと歩いて行く瑞樹を結城は目で追い掛けている。 その視線の先に長髪の女が立っているのが見えた。
「あいつは誰だ?」 「どうした?」
「ほら、あそこにじっと立っている妙な女が居る。」 「見たことねえなあ。 誰か待ってるんじゃないのか?」
「待ってるったってこんな夜中に誰がのこのこと出てくるんだい?」 「それはそうかもしれんが、もしかして立ちんぼかもよ。」
「立ちんぼ?」 「確かこの辺は禁止区域なはずだな。」
岩谷さんはスマホを取り出すと電話を掛けた。 何処の誰と話しているのかは結城にも分からないが、、、。