極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
断言されて驚いた。治療法がないと言われる難病なのに、どうしてこの人は自信満々に治療できると言うのだろう。そんな先生は、これまでひとりもいなかった。

「私の病気、治るんですか?」

「厳密には症状を抑えると言った方が正しい。君が大人になる頃には普通の生活ができるようになると約束するよ」

「普通の生活……」

とくんと心臓が鳴る。不整脈ではない、期待に鼓動が呼応したのだ。

「協力してくれるね?」

男性が手を差し出してくる。

いったいどんな協力を求められるのか。もしかしたら私はモルモットになるのかもしれない。

だが、普通になれるならなんでもする。この苦しみを無駄にしたくはない。

点滴をしていない方の手で彼の握手に応えた。

「伏見影彦だ。よろしく」

それからしばらくして、彼――伏見教授の勤める大学病院の病棟に転院した。

検査の量が増え、入院生活はこれまでより少しだけ大変になった。だが教授の診断は的確で、酷い熱を出してもすぐ治まるようになった。

中には「少しだけ運動してみようか」とオーダーをされることもあった。

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