極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
あらかじめ質問を想定し台本も作っておくが、本番では想定外の質問ややじのようなものまで飛んでくる。
今回も、株主役を担当した人間が意地の悪い質問をしてきたが、翔琉さんは笑顔で捌いていた。
対して、翔琉さん以外の担当役員はしどろもどろで、さんざんな結果に終わったのだが。
「もう少し練習するようみんなに伝えておいてくれ」
心の広い翔琉さんも、さすがに苦笑している。
「それにしても社長の回答は見事でした。心強い」
「もう少しひねってくれてもよかったんだけどなあ」
「充分ひねられていましたよ。彼らも社長がここまで小賢しいとは思ってなかったのでしょう」
「一応聞くけど、褒めているんだよな?」
武久さんは肯定しない。横で話を聞いていた私は、声に出ないようにこっそりと笑みをこぼした。
「一度運営事務局に戻って指示を出してきます。美守さん、引き続き社長をよろしくお願いします」
武久さんが執務室を出ていく。私は「かしこまりました」と軽く腰を折った。
このあともたまった契約書の確認や、経営企画室との事業戦略の擦り合わせなど盛りだくさん。
金曜日だから駆け込みの仕事も多い。
今回も、株主役を担当した人間が意地の悪い質問をしてきたが、翔琉さんは笑顔で捌いていた。
対して、翔琉さん以外の担当役員はしどろもどろで、さんざんな結果に終わったのだが。
「もう少し練習するようみんなに伝えておいてくれ」
心の広い翔琉さんも、さすがに苦笑している。
「それにしても社長の回答は見事でした。心強い」
「もう少しひねってくれてもよかったんだけどなあ」
「充分ひねられていましたよ。彼らも社長がここまで小賢しいとは思ってなかったのでしょう」
「一応聞くけど、褒めているんだよな?」
武久さんは肯定しない。横で話を聞いていた私は、声に出ないようにこっそりと笑みをこぼした。
「一度運営事務局に戻って指示を出してきます。美守さん、引き続き社長をよろしくお願いします」
武久さんが執務室を出ていく。私は「かしこまりました」と軽く腰を折った。
このあともたまった契約書の確認や、経営企画室との事業戦略の擦り合わせなど盛りだくさん。
金曜日だから駆け込みの仕事も多い。