極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「君の担当医だろう?」

私はこくりと頷く。正しくは医者というより研究者で、私の体をずっと診てきてくれた人。

ふたりが話している姿はさらに想像できなくて不思議な感じがする。

「数値が安定するまでは安静が第一だけど、ある程度体調がよくなれば家事をするくらいかまわないってさ。新婚生活でもなんでもしてくれって言われた。あ、血圧が上がるような行為は禁止って念を押されたけど」

それって、エッチはするなって意味だよね。教授にそんなことまで見透かされるなんて、次に顔を合わせたとき、いったいどんな顔をすればいいのやら。

「それと、これはまだ俺と武久の間だけの話なんだけど」

不意に出た武久さんの名前に肩がびくりと跳ねる。

結果的に武久さんにも迷惑をかけてしまった。私が現場を抜けた穴を埋めているのはきっと彼だ。きちんと謝罪できていない負い目もある。

「手の回らない書類仕事が結構あるみたいなんだ。俺や社長室の面々の負荷も、将来的には減らしていきたいって思ってる。在宅ワークで簡単な書類仕事を引き受けてみる気はないか?」

あまりにも前向きな提案に、驚いて声が出なくなった。

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